はじめに
あの有名な「嫌われる勇気」の本をまとめあげた古賀史健さんの著作であるこちらの2012年の本を、最近読みました。
ブログの参考にもなりそうだったので印象に残った所だけでも取り上げていこうと思います。
読者を巻き込む「起”転”承結」
ストーリー仕立ての小説では起承転結の流れが一般的だが、これを日常文でやると混乱を招きやすいので”転”の位置を変えると最初の起である一般論が否定されるので「どんな議論が展開されるんだ?」と興味を引くことができます。
①起・・・甘いものはダイエットの大敵だと言われている
②転・・・しかし、食べたくなったらケーキやドーナツを食べてもいい
③承・・・(食べてもいい理由、客観的事実など)
④結・・・我慢ばかりのダイエットでは長続きしないのだ
ただ、この展開にするなら冒頭の起には主張したいことの真逆の一般論で始めることになりますが。
自分の文章に自分でツッコミを入れる
読者が自分の文章を読んでもすぐそれを鵜吞みにはできないでしょう。そこを納得してもらうために自らツッコミになる反論を入れます。
それをさらに再反論することで自らの主張が強化されるし、読者の疑念も晴れていきます。
①主張・・・高校では日本史を必修科目とすべきである
②反論・・・一方、「国際化に対応するには世界史だ」との反対意見もある
③再反論・・・しかし、国際社会で自国の歴史や文化を語れないほうが問題だ
④結論…今後ますます国際化が進むからこそ、日本史の教育が大切なのだ
文章には”自分の頭でわかったこと”以外は書いてはいけない
仮に取材で100の話を聞いたとしても、自分の理解が60で止まっていたら、原稿には60までのことしか書けない。
そもそもライターは、取材を「聞く」だけで終わらせることなく、膨大な資料を読み込み、自分の頭で考え、自分の理解が少しでも100に近づくよう努力しなければならない。そして自分の理解が80までしか及ばなかったとすれば、正々堂々と80の範囲で書く。
ノンフィクションの本に読者が求めていること
①目からウロコ・・・「おおっ!!」「ええーっ!!」
②背中を後押し・・・「そうそう」「よしよし」
③情報収集・・・「ふむふむ」「なるほど」
目からウロコが多すぎると文章全体に納得できなくなってしまう。
下記がその一例で、私は初めて読んだ時に声を出して笑ってしまった。
①主張・・・日本一おいしいラーメンはカップ麺だ(ええーっ!!)
②理由・・・カップ麺特有の化学調味料の味がたまらない(ええーっ!!)
③事実・・・実際、カップ麺ほど売れてるラーメンはない(ええーっ!!)
ええーっ!!という驚きのリアクションばかりだとおかしくなってしまいますね。
全く知らない、これまで関心がなかったものの原稿は書きやすい
原稿の執筆にあたって、読者との距離感がはっきりとわかるし、方向性に迷うこともない。読者の気持ちがわかり、読み手がどんなところでつまずくか、どんな疑問を抱くのか、かなり正確にイメージできるのでわかりやすく、納得のいく執筆ができるようだ。
逆を言うと「自分の好きなもの」に関する原稿は、意外なほど書きづらい。難しい単語があっても、当たり前のものとして説明が不十分になってしまいがちだ。
まずは頭の中の”ぐるぐる”を紙に書き出す
筆が進まず、頭の中でごちゃごちゃ考えているなら、それを紙に書いて可視化しよう。そこで出てきたキーワードを元に目に見える形で編集していこう。
出てきたキーワードにはなんらかの傾向が見つかるはず。
下手な文章術より映画に学べ
映画は無駄なカットなど1秒たりとも存在せず、全てのカットに意味がある。編集の見事な映画をじっくり鑑賞するほうがよほど文章のトレーニングになる。
みんな編集者の眼を持つべきだ。
おススメの推敲方法
①文章を別のワープロソフトにコピー&ペーストする
②文章のフォントを変更する
③縦書き・横書きを変更する
これをすると、視覚的に全く別角度から眺められるようになり、自分の文章に対してかなり新鮮かつ客観的に向き合うことができるようになる。
他にも家族や友人など気のおけない”読者”がいるのなら、一度読んでもらい、率直な感想を聞かせてもらうのもベストだ。
終わりに
以上が私が残しておきたくなった箇所でした。
古い本ではありますが、ブロガーなどライターさんにもためになる質のいい内容だと感じてます。
もし詳細を読んでみたい方がいましたらこちらの本を読んでみてください。
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