「人を動かす」を読んで

読書

はじめに

D・カーネギーさんのビジネス書・自己啓発書の名著として有名なこちらの本を図書館でみつけたので、読んでみました。

印象に残った箇所がいくつかあるのでまとめてみます。

他人を変えるより、自分を変える

「自分の家の前の雪を掃け。他人の家の屋根の上に降りた雪に構うな」

中国の格言です。他人を変えようとするより、はるかに利益が大きく、危険もほとんどない、と述べられてました。

人が欲しているもの

たいてい次のものを人は欲しているらしいです。

①健康(生命の維持)

②食事

③睡眠

④お金(お金で買えるもの)

⑤来世の幸せ

⑥性的満足

⑦子供の幸せ

⑧自己有用感

相手のことを話題にする

相手のことを話題にすれば、人は何時間でも話を聞いてくれるそうです。

常に、相手に価値があると感じさせる。それを心から行うのが良いそうです。

人の間違いを指摘しない

人の間違いを指摘しない方が得するそうです。もし、間違いを切り出したいなら次のように言うのが良いそう。

「すみません、私は別の意見なんです。でも、私が間違っているかもしれません。よく間違えますから。ですから、もし私が間違っているなら、あらためたいんです。ちょっと聞いていただけませんか?」

フランクリンの自己改革法

ベンジャミン・フランクリンは控えめに意見を言えば、相手はすぐに受け入れてくれて、否定させれることも少なくなったと言っています。

他人の意見に真っ向から逆らう言動や、断定的な言動はすべて慎むようにしたそうです。

もし反論する場合は、『ある条件下では正しいでしょうが、この場合は、やや違うかもしれません』などと言うことにしたそうです。

自己批判は相手の敵意を消す

先に自己批判をすると、相手の敵意を最小限にし、味方に変えることができます。

『あなたがおっしゃることが本当でしたら、私が間違っております。まったく申し訳ございません。もっと慎重になるべきでした。もう一度最初からやり直させていただきます』と先に言ってしまえば、「いや、そこまで手間を取らせようとは思わない」とこちらに寄り添ってくれるようになります。

ミスの言い逃れはしない方が賢いそうです。

自分の考えを受け入れさせる方法

人を思い通りにしたいなら、まず、相手に自分が誠実な人物であることを納得させるべき。これが相手の心をつかむためには必須。

リンカーンもこう言っているそうです。

夫婦が幸福になるための10の質問

『アメリカン・マガジン』誌に掲載された、エメット・クロージャーの『なぜ、結婚は失敗するのか?』という記事から引用した質問票が下記です↓

夫婦それぞれに10個の質問があります。質問に答えるだけで配偶者としての自分の価値が見つけられます。

夫への質問

①誕生日や結婚記念日、または突然のハプニングや優しさの現れとして、たまには妻に花を贈っていますか?

②他人の前で妻を非難しないよう、注意していますか?

③自分が浪費するより多く、妻に自由なお金を渡していますか?

④周期的に疲れたり、ナーバスになったり、怒りっぽくなったりする、女性特有の傾向を理解しようと努力していますか?

⑤少なくとも余暇の半分を妻と過ごしていますか?

⑥妻の料理や家事を、自分の母親や他人の妻と比較しないように注意していますか?

⑦妻の知的生活やクラブ活動、社会活動、読書傾向、問題意識に関心を示していますか?

⑧妻が他の男性から親切にされても、嫉妬しないでいられていますか?

⑨機会を見つけて、妻をほめていますか?

⑩ボタンを付けてくれたり、服をクリーニングに出してくれたりといった、妻があなたのためにやってくれた”ちょっとしたこと”に、感謝していますか?

妻への質問

①夫が仕事をしている時は完全に自由にさせていますか?また、夫の同僚や秘書、勤務時間をうるさく批判していませんか?

②家庭をおもしろく魅力的にするのに最善を尽くそうとしていますか?

③食事のメニューを変えていますか?

④夫の仕事を理解し、助けになるような会話ができていますか?

⑤夫の失敗を批判したり、より成功している男性と比較したりすることなしに、財政的困難に、果敢かつ前向きに立ち向かえますか?

⑥夫の母親や親類に、好意的に接する特別な努力をしていますか?

⑦夫の好みを考えた服装をしていますか?

⑧わずかな意見の違いには、譲歩していますか?

⑨夫の余暇を共有したり、夫が好むスポーツを覚えたりしようとしていますか?

⑩新しいニュースや本、アイデアを仕入れて、夫の知的興味についていってますか?

終わりに

この本の訳を行った東条健一さんによると、『人を動かす』というタイトルには「自分を動かす」というテーマが隠れているそうです。相手を動かす方法とは、同時に自分を動かす方法でもあります。彼は続いてこう述べています。

「自分がいちばん欲しいものは何か?どうしたら自分は行動できるのか?自分はどこから自己有用感を得ているのか?などを自分に問いかけてみてはいかがでしょうか?あなたにもカーネギーのように、人生で探し求めていた本当の答えが見つかり、新たな道が開けるかもしれません。」

カーネギーの著書には「道は開ける」というものもあります。こちらの本も読んでみたいなと思います。

今回の「人を動かす」ですが、どの時代に読んでも共通する実用心理学だと私は思うので、皆さんもお好きなタイミングでよかったら手に取ってみてください。

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