はじめに
先日、”おちゃらけ社会派”ブロガーのちきりんさんの著書「ゆるく考えよう~人生を100倍にする思考法」を読みました。
印象に残ったところを挙げていきたいと思います。
情報商材はなぜ売れるのか?
情報商材とは、ネット上の資料販売のことを言います。体験談を中心とした長い長い長い売り文句が続くページを何ページも読まされた後に、ダウンロードの形で資料を購入するものです。買ってみたら特に目新しい情報もなかったりするケースも多いとか・・・
この商材をカテゴリーで分けてみると面白いことになります。
A.カネ
①儲かる系
②ビジネスノウハウ系
B.健康
③不治の病が治る系
④ダイエット系
C.色(女・男)
⑤いきなりモテはじめる系
⑥性的なコンプレックス系
D.出世・成功
⑦能力がなくても成果がでる系
⑧難しい技術があっという間に身につく系
なんと、全ての人間の欲カテゴリーを網羅しています。
もはや情報商材とは「人間の欲の全分野において、できないことをできるという資料」なんですね。だから昔から売れているわけですね。
宗教の定義
ちきりんさんは「宗教の定義」を下記にしるしています。
1⃣教祖や神など、絶対的立場のシンボルが存在する
2⃣現実の世の中を否定している
3⃣現在の科学レベルでは不可能なことを信じている
4⃣集客と集金のシステムがある
社会が解決できない問題の多くは、宗教がカバーする領域となっているようです。けれど先進国においては全体として生活が豊かになったからか、昔ほど信心深くないようです。
それでも社会が停滞し、解決できない問題がまた増えてくれば、宗教も再びその勢力をのばしはじめるでしょう。
他に、「セミナー」や「〇〇の集い」などの名称であっても、最初に書いた4つの条件が揃っていれば、それは宗教だということを覚えておいてください、とちきりんさんは締めていました。
貯蓄が増えない理由と、体重が減らない理由
「貯蓄を増やす方法」と「体重を減らす方法」には共通点があります。
・貯蓄を増やす方法
⑴収入を増やす
⑵支出を減らす
⑶資産を運用する
・体重を減らす方法
⑴食べない(摂取カロリーを減らす)
⑵動く(消費カロリーを増やす)
⑶筋肉をつける(基礎代謝の高い体になる)
貯蓄で効果が圧倒的に出やすいのはケチケチ節約するよりもバイトなどをして収入を増やすことです。ダイエットも同じでやせるために最も効果があるのは⑴の食事制限です。高カロリーなもの、すなわち、おいしいものを食べないことだ、とちきりんさんは述べています。
アドバイスの正しいもらい方
迷っている時や決断できない何かがある時、どうすれば他の人から、より有益なアドバイスが得られるか、その方法です。
⑴必ず両方の選択肢を質問文に入れる
AとBで迷っている時、両方の選択肢を同列に並べて尋ねるべき。
⑵質問するのではなく自分を理解してもらう
相談するときは、聞きたいことは冒頭で簡潔に伝え、残りは自分を理解してもらうために使いましょう。自分はどんな人で、何が嬉しくて、何が不安で、何が好きで、なぜ今、迷っているのかといったことを伝えます。相談者についての情報がないと、助言者は「自分のような人間にとって一番よいと思える答え」を教えてしまいます。
「自分と相談者の違い」を理解してもらえばそれに沿った助言をしてくれます。
⑶最後に相手のいいたいことをいってもらう
相談しているあいだ、相手は「質問されたこと」に対して答えています。反対にいえば、「質問されなかったこと」については答えていません。
相談される人は、相談する人の何倍も幅広い知識や経験を持っている場合が多いでしょう。質問をして得られることは、その相手の持つ知見のうち「質問者は思いついた範囲のことだけ」です。しかし「他に何かありませんか?なんでもいいです」といえば、相手は自分の経験と知識の大海の中から、「その相談者に最も有益なメッセージ」を探して語ってくれます。
だから、自分が思いつくレベルの質問はさっさと切り上げ、「相手が大事だと判断すること」「相手がいうべきだと思ったこと」を聞く時間を十分に確保することが重要なのです。
私、ayumilkも人に相談するときはこれを念頭に置こうと思いました。
相談のつもりがただの愚痴になってしまうことも多いんですけどね💦
おいしい人生
小ネタになるかもしれませんが、温泉地などに旅行した時には、高級旅館を夕食つきで予約するのは必ずしも賢い選択ではないそうです。
旅館の夕食はあまりに量(品数)が多すぎて嫌いな物が混じっていることが少なくない、とか。
最近は食事抜きの予約ができるところもあるので、夕食は地元の評判店を探して食べに行き、朝だけ旅館のご飯を食べるのがゆるいグルメには黄金パターンなようです。
コミュニケーション成立比率
「A氏はB氏の発言を常に正しく理解し、一切誤解しない逆もまた同じ」という状態を「コミュニケーション成立比率100%」と呼ぶとします。理解するとは「同意する」という意味ではなく、「わかる」という意味です。意見が違っても相手のいい分が理解できれば、コミュニケーションは成立してると言えます。
だいたいの比率について説明すると、次のようになります。
90%以上
日常会話、業務上の会話に加え、感情や感覚の説明も、ほぼストレスフリーで理解しあえる。擬態語、擬声語の捉え方も、受信者の理解は発信者の意図と極めて近い。前者を省略した会話も問題なく成り立つ。
70%以上
日常会話の他、業務を共にするうえでも一切ストレスを感じない。ただし、感情、感覚の説明、擬態語、擬声語を用いたコミュニケーション、前提を省略した会話については、ときに誤解が生じる。
50%以上
日常会話には問題ないが、共に仕事をするにはお互いに注意深いコミュニケーションが必要。業務の場合は、話すだけでなく文章化や図解による確認があれば安心できる。
30%以上
日常会話は成り立つが、仕事や議論では、相手のいっていることを理解するのに時間と手間がかかり、お互いにフラストレーションを感じる。誤解や軋轢が頻繁に生じる。
20%以上
日常会話においても、様々な誤解が頻繁に生じる。
20%未満
相手のいっていることが理解できない場合が多い。自分のいいたいことも伝わっていないと感じる。思考構造が違う。
たとえ身近な人でも、「世の中にはコミュニケーション成立比率が低く、普通に話していてはわかりあえない人がいる」と開き直ってしまえばむしろ楽になりますね。
旅の効用
ちきりんさんは本書の最後の方でこのテーマについて触れています。
人は生活の中で様々なものを手に入れ、年をとるごとに仕事やキャリア、家族や人間関係、環境や資産について、ものすごく大事で尊いもののように思いはじめます。そしていつしか、それらを手放すことが怖くなります。
ところが全く違う場所に行くと、「そんなに必死で守る必要があるんだっけ」と思えたりします。
自分の存在や信じているものの価値を相対比できるようになるそうです。
だから海外で強烈な体験をして帰国するときには精神が少しだけ開放され、一歩自由になった自分を感じることができます。
それがちきりんさんにとっての海外旅行の大きな効用だそうです。
最後に
以上、ayumilkがこれは!と思った所の大まかなまとめでした。
これらは一部だけなのでもっと内容を知りたい方はぜひご一読してみてください。
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